約52億元の費用には制裁金と違法所得の没収が含まれます。当局はホテルとの独占契約やオンライン最安値の要求を問題視しました。
トリップドットコム・グループは2026年9月15日、第2四半期の売上高が前年同期比6%増の157億元だったと発表しました。一方、株主に帰属する最終損益は25億元の赤字でした。同社は、中国の競争当局による約52億元の独占禁止法違反に伴う費用計上が主因だと説明しています。
同社は中国の旅行予約サービス「携程(Ctrip)」を前身とする企業です。中国向けの携程と去哪儿(Qunar)、世界各地で利用されるTrip.com、旅行検索サービスのスカイスキャナーを運営しています。今回の決算はグループ全体を対象とし、人民元建てで公表されています。
ホテルとの独占契約と最安値の要求を問題視
中国の国家市場監督管理総局(SAMR)は2026年1月に調査を開始し、7月25日に処分を決定しました。同当局は、中国のオンラインホテル予約市場での支配的な地位を利用し、ホテルの他社との取引や価格設定を制限したと認定しています。
当局によると、一部のホテルには集客面での優遇と引き換えに、競合プラットフォームとの取引を禁じていました。複数のプラットフォームを利用する別のホテルには、同社のプラットフォームでオンライン最安値を提示するよう要求。集客の制限や保証金の差し引きなどによって、従うよう強制したとしています。
処分は、2025年の中国国内売上高の7.5%に相当する35億2,100万元の制裁金と、違法所得16億5,800万元の没収です。このほか、ホテルから差し引いた保証金1億2,200万元の返還も命じられました。同社は処分を受け入れ、是正措置を実施すると表明しています。
制裁金と没収を計上、調整後利益とは区別
決算で約52億元と示された独禁法違反に伴う費用には、制裁金と違法所得の没収が含まれます。この費用を計上した一般管理費は63億元でした。同社が示した当該費用を除く一般管理費は12億元で、前年同期比5%増です。
会社が公表した株主に帰属する最終損益は、調整の範囲によって次のように分かれます。
| 区分 | 2026年第2四半期 |
|---|---|
| 米国会計基準(GAAP) | 25億元の赤字 |
| 独禁法違反に伴う費用の影響のみを除外 | 27億元の黒字 |
| 非GAAP調整後 | 48億元の黒字 |
調整後の48億元は、独禁法違反に伴う費用に加え、株式報酬費用、株式投資と交換社債の公正価値変動、関連する税効果も除いた数値です。独禁法違反に伴う費用だけを除いた27億元とは、調整対象が異なります。
海外プラットフォームは伸長、全体では前四半期比減収
海外プラットフォームの売上高は前年同期比で50%を超える伸びとなりました。グループ全体の売上高は前年同期を上回ったものの、前四半期比では3%減少しました。
米国預託株式(ADS)1株当たりの希薄化後損失は0.57ドル、非GAAP調整後の希薄化後利益は1.07ドルでした。同社のADS1株は普通株式1株に相当します。
