2026年7月15日、スペースX株(SPCX)は取引時間中に132.15ドルまで下落しました。IPO価格の135ドルを下回ったのは、上場後で初めてです。
ただし終値は135.27ドルでした。IPO価格の135ドル、最初の市場取引価格の150ドル、6月16日の取引時間中の高値225.64ドルは、それぞれ異なる購入の基準です。
IPO価格・初値・高値で買った投資家
スペースXは2026年6月のIPOで、1株135ドルの公募価格を決めました。この価格は公募で株式を配分された投資家の購入価格です。SPCXが6月12日にナスダックで取引を始めた際、最初の市場価格は150ドルでした。
公募で配分を受けた投資家、最初の市場取引で買った投資家、上場後の高値で買った投資家では、損益を測る出発点が異なります。
| 購入の基準 | 購入価格 | 135.27ドル時点の1,000ドル | リターン |
|---|---|---|---|
| IPOでの配分 | 135.00ドル | 約1,002ドル | 約+0.2% |
| 最初の市場取引 | 150.00ドル | 約902ドル | 約-9.8% |
| 6月16日の取引時間中の高値 | 225.64ドル | 約599ドル | 約-40.1% |
この表は全ての株主の実際の損益を表すものではありません。配分数、購入日、手数料、税金、為替で結果は変わります。それでも、IPO価格を下回ったという一つの表現だけでは、全ての投資家の損益を説明できません。
スペースXはロケット打ち上げと衛星インターネットサービスのスターリンクを運営しています。SPCXは同社のナスダック上場クラスA株式です。
流通株式数が少ないと、初期の値動きは大きくなりやすい
今回のIPOは非常に大きな案件でしたが、ロイターによると、上場時に公開市場で売買できた株式は全体の5%未満でした。株価は、会社が発行した全株式ではなく、その時点で実際に売買できる株式によって決まります。
売買できる株式が少なければ、買いが集中した時に価格は急騰しやすくなります。反対に買いが弱くなれば、短期間でも大きく下落することがあります。これは会社の事業価値が同じ比率で変わったという意味ではなく、初期の市場構造が価格変動を増幅し得るということです。
大型IPOの後しばらくは、価格が形作られていく時期でもあります。取引履歴は短く、証券会社の分析は出始めたばかりで、誰が保有し、誰が売却できるのかも変化していきます。
次に見るべきはロックアップ解除
IPO価格を数ドル下回ったことより直接的な材料は、これから市場で売却できる株式です。
ロイターによると、従業員と一部の初期投資家が保有する9億1,150万株は、スペースXが最初の四半期決算を公表した後の2営業日目から売却可能になる見込みです。7月15日の終値135.27ドルで計算すると、約1,233億ドル分にあたります。7月16日時点で、スペースXは最初の決算発表日を公表していません。
売却可能になることは、全ての保有者がすぐに売るという意味ではありません。ただ、IPO時より大きな株式の供給が市場に出る可能性が生まれれば、それを買い需要がどこまで吸収できるかが新しい材料になります。ロイターは、12月までの段階的なロックアップ解除で、売買可能な株式の比率が40%まで増える可能性があると報じています。
IPO価格割れの見出しだけでは分からないこと
7月15日の132.15ドルは、IPO価格を下回って実際に取引された価格です。ただし、その日の終値はIPO価格をわずかに上回りました。IPOで配分を受けた投資家は小幅なプラスである一方、最初の市場取引で買った投資家は約10%、6月16日の取引時間中の高値で買った投資家は約40%の損失圏です。
今後見るべき点は、最初の公開決算、ロックアップ解除の時期、そして売却可能になった株式が実際にどれほど市場に出るかです。取引中に一度IPO価格を下回ったことだけで、その後の株価を決めつけることはできません。
この記事はスペースX株の売買を勧めるものではありません。IPO価格、実際の購入価格、売買可能な株式数が株価にどうつながるかを説明するものです。
