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ホルムズ海峡の緊張で原油高。なぜ株と国債利回りも動くのか

7月13日、米国とイランの攻撃再燃で原油が上昇し、株式と国債利回りも反応しました。市場が警戒したのは原油価格そのものより、物価と金利への波及です。

トランプ氏、米国とイランの国旗、軍艦、ホルムズ海峡を航行する原油タンカーを描いたエディトリアルイラスト

7月13日、米国とイランの攻撃が再び激しくなり、ホルムズ海峡を通るエネルギー輸送への懸念が強まりました。ブレント原油は1バレル78.40ドルまで上昇し、前日比3.14%高。WTIも3%を超えて上げました。

動いたのは原油先物だけではありません。複数の株式市場が軟調となり、国債利回りも上昇しました。原油高が、物価、金利、企業のコスト、株式の評価へと波及する可能性を市場が織り込んだからです。

市場が織り込むのは供給不足の確定ではなく不確実性

紛争前のホルムズ海峡は、世界の1日当たりの原油・液化天然ガス供給のおよそ5分の1が通る要所でした。この航路が不安定になると、実際の供給減が確定する前から価格は反応します。

タンカーの運航が慎重になり、保険料が上がり、輸送の混乱が長引く可能性が意識される。そうした不確実性の分だけ、買い手は原油に上乗せした価格を払います。これがリスクプレミアムです。

原油市場が見ているのは、今日使われる1バレルだけではありません。次に届く原油を、どの経路で、どの程度の確実さで確保できるかです。

原油が3%上がっても物価が3%上がるわけではない

原油は物流、航空、製造、化学製品などのコストに入ります。燃料高は、配送料や旅行費、生活用品の価格に時間差で影響することがあります。

ただし、ブレント原油が3%上昇したからといって、消費者物価が3%上がるわけではありません。税金、精製コスト、為替、在庫、賃金、原油高が続く期間がそれぞれ異なるためです。

先に変わりやすいのはインフレ期待です。エネルギーコストが高止まりするかもしれないと市場が考えれば、長期国債を持つためにより高い利回りを求める動きが出ます。

利回りが上がると債券価格は下がりやすい

債券の利回りと価格は逆方向に動きます。固定利息の債券に対して買い手がより高い利回りを求めるなら、既存の利息がその利回りに見合うまで市場価格が下がる必要があるからです。

原油高はこの調整のきっかけになり得ます。物価が下がりにくくなると、中央銀行が早く利下げできないかもしれないという見方が強まります。投資家はその可能性を反映して、長期債に求める利回りを上げます。

もちろん、原油が1日上がっただけで金利が上がり続けるわけではありません。供給不安の長さ、景気、中央銀行の対応が結果を左右します。それでも原油の見出しがすぐ債券市場の見出しになる理由はここにあります。

株式市場は一つの方向には動かない

燃料を多く使う企業は、原油高でコスト圧力を受けることがあります。一方、遠い将来の利益への期待が株価に大きく反映されている企業は、国債利回りの上昇に敏感になりやすい面があります。将来の利益を今日の価値に直す際の割引率が上がるためです。

ただし、すべての株が同じ幅で動くわけではありません。原価の構造、価格へ転嫁する力、エネルギー価格への依存度は企業ごとに違います。「株安」という見出しだけで、資産全体への影響を決めることはできません。

見出しを売買シグナルに変えない

ホルムズ海峡をめぐる輸送不安は原油を押し上げる可能性があります。原油高はインフレ懸念につながり、インフレ懸念は国債利回りや株式の評価に波及し得ます。

これは原油、金利、株価の方向を予想する記事ではありません。一つの地政学的な出来事が、お金の価格へどう伝わるかを整理したものであり、特定の資産を売買する助言ではありません。

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出典

Reuters and AP, July 13, 2026
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