2026年7月1日、米国の半導体株が大きく下げました。PHLX Semiconductor Indexは取引時間中に約4.3%下落し、終値でも約3.4%下げました。Barron'sは、iShares Semiconductor ETFが同じ日に約6.4%下落したと報じました。
一方で、その直前の第2四半期にはPHLX Semiconductor Indexが87.8%上昇していました。大きく上がった後の下落なので、1日の下落率だけを見ると流れを見誤ります。
何が起きたのか
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 日付 | 2026年7月1日 |
| PHLX Semiconductor Indexの取引時間中下落 | 約-4.3% |
| PHLX Semiconductor Indexの終値下落 | 約-3.4% |
| iShares Semiconductor ETFの下落報道 | 約-6.4% |
| PHLX Semiconductor Indexの第2四半期上昇 | +87.8% |
材料の一つは、Metaが余ったAI計算能力を外部に販売する可能性があるという報道でした。
Metaにとっては好材料でした。すでに作ったデータセンターやAIインフラから、追加の売上を作れる可能性があるからです。WSJは、Meta株が8.8%上昇し、取引時間中には11%超上げる場面もあったと伝えました。
ただし半導体株全体は逆に動きました。大手テック企業がAI計算能力を買い続ける顧客ではなく、余った計算能力を売る側にもなり得るからです。
なぜ半導体株には重く見えたのか
AI需要が強くても、株価がすでに大きく上がっていれば小さな不安で下がることがあります。
半導体株はすでに大きく上がっていました。将来のチップ注文、データセンター投資、利益率、利益成長が株価に多く入っていた状態です。こういう株は、良いニュースが出ても必ず上がるわけではありません。
Metaの報道後、市場が見たのは需要そのものより供給でした。
この不安は半導体株には重くなります。AIインフラ投資が続いても、その期待がすでに株価に十分入っていれば株価は下がることがあります。
同じAI関連ニュースでも、Metaは上がり、半導体株は下がりました。
6.4%下落を戻すには何%必要か
ここでは、iShares Semiconductor ETFの約-6.4%下落を例にします。元本10万円が6.4%下がると、9万3600円になります。
元の10万円に戻すには、+6.4%では足りません。必要な上昇率は約+6.8%です。
| 計算 | 金額または上昇率 |
|---|---|
| 元本 | 10万円 |
| -6.4%下落後 | 9万3600円 |
| 回復に必要な上昇率 | 約+6.8% |
下落は10万円を基準に計算されます。回復は9万3600円を基準に始まります。基準となる金額が小さくなるため、必要な上昇率は少し大きくなります。
-6.4%の損失は、+6.4%の上昇では戻りません。
大きく上がった後の下落は大きく見える
直前の第2四半期上昇率+87.8%も見ておきます。
元本10万円が87.8%上がると、約18万7800円になります。そこから3.4%下がると、約18万1415円です。
| 計算 | 金額 |
|---|---|
| 元本 | 10万円 |
| +87.8%上昇後 | 約18万7800円 |
| その後-3.4%下落後 | 約18万1415円 |
| 高値から減った金額 | 約6385円 |
最初の元本から見れば、まだ大きな利益です。ただし高値から見れば、1日でお金が減っています。株価が大きく上がった後では、同じ下落率でも金額としては大きく感じられます。
今回の要点
今回の米国半導体株の急落で重要なのは価格です。半導体株はすでに大きく上がっていて、AIインフラ不足への期待も株価に多く入っていました。
そこに、Metaが余った計算能力を販売するかもしれないという話が出ました。需要が消えたわけではありません。投資家が供給、価格、将来のリターンを見直し始めたことで株価が下がりました。
この記事は特定の半導体株の売買を勧める投資助言ではありません。半導体株が急落したときに、損失と回復に必要なリターンをどう計算するかを見るための説明です。